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【ブンデスリーガ】原口落胆、勝利を目前にして…

執筆:ダイ

配信日:2017年2月21日

ヘルタ・ベルリンの原口元気が放心した状態でベンチにもたれかかっている様子が放送された。

2017年2月18日に行われたヘルタ・ベルリン対バイエルン・ミュンヘン(ブンデスリーガ第21節)の試合は、1-1の引き分けで終わった。名門バイエルンに対して引き分けで終わった試合だったが、印象的なのはヘルタの全ての選手がワールドカップで負けたのかというほど落胆している姿だった。

無理もない。なぜなら、後半アディショナルタイム、しかも試合終了まであと1分というところまでヘルタが1-0で勝っていたのだから。

私も、試合開始までは「どうせバイエルンが勝つだろう」と踏んでいたのだけれど、1点を先取した後のヘルタの選手の献身ぶりは見事であった。1点を守り切ろうとディフェンスに力を入れていただけではなく、攻撃にも果敢に挑戦していた。まさに、攻守にわたって善戦していた。

点が取れなくて焦ったバイエルンは、温存していたロベルト・レヴァンドフスキも投入。凄まじいほどの猛攻を加えた。このバイエルンの猛攻に後半アディショナルタイムまで持ちこたえていたヘルタ陣営が素晴らしい。

しかし最後、後半アディショナルタイムに入って、原口はDFと交代したのだが、ここを突かれてしまった。原口が交代したまさにその右サイドをバイエルンのFWキングスレイ・コマンがドリブルで突破。ヘルタのDFペテル・ペカリークはコマンを止めるためにスライディングし、エリアのすぐ外でファウルを与えてしまった。そして、このFKを起点として、レヴァンドフスキに同点弾を決められてしまったのである。

原口は指摘する。

「俺は毎回(サイドで)2対1を作ってやられないようにしいて、なんで最後ペカ(ペテル・ペカリーク)が1対1になっているのか。90分間やり続けたのに、交代してそれをやらなくなって、1対1でファール。何をしたいのかっていう…」*1

実際、原口は、試合中ディフェンスにも貢献しており、相手がサイドを駆け上がってくる場面では、味方のDFをサポートしていた。味方のDFが振り切られた際に原口がその攻撃を止めたシーンもあった。

しかし、同点弾を決められたあの場面、確かにヘルタは右サイドでペカリークが一人でコマンと対峙しており、原口と交代したDFファビアン・ルステンベルガーはエリア内を固めていた。ペカリークは得点に繋がるファウルをしてしまったが、先発出場して90分間バイエルンの猛攻を耐え忍んできた選手を責められない。

「90分間あれだけチームでハードに戦って、もう少しで3ポイントが取れるってところで、なんであのシーンでペカが……。どう考えても、あそこ(サイド)を突破してくる能力のある選手をおいているわけだから。前半に2人でも止められないシーンがあったのに、なんで90分以上戦っているペカが疲れている中で、コマンとやらなければいけなかったのか。FKの対応どうこうではなく、まずそこだと思うし、あれをやられないために毎回2対1を作っていた。もったいないというか、詰めが甘いというか……」*1

バイエルン相手に、勝利を目前にしながら、あと一歩でつかみ取れなかった。ヘルタ陣営としては悔しい試合となったが、同時に手ごたえを感じた試合となっただろう。これからも原口の好守にわたった活躍が楽しみである。

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参考資料:

*1 湊昂大 、『バイエルン戦の明暗分けた原口の守備意識、交代後の失点に「何をしたいのか…」』、サッカーキング、2017年2月19日、https://www.soccer-king.jp/news/world/ger/20170219/553553.html