「ハインリッヒの法則(Heinrich’s law)」とは、 ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(Herbert William Heinrich)が導き出したといわれる法則です。
ハインリッヒは、災害が発生するにはその背景にある経験則が存在するということを発見しました。この経験則を知っておくと、重大な事故やミスを未然に防ぐシステムを作る際に役に立つでしょう。特に、建設業界や医療業界、企業の労務や行政などに携わる人にとって有用な知識かと思います。
今回は、そんな「ハインリッヒの法則」について簡単に分かりやすく説明します。
ハインリッヒの法則とは
ハインリッヒは、アメリカの損害保険会社に勤める傍ら、5000件以上の災害について研究を行っていました。
そして、同じ種類の330件の災害のうち、300件は無傷、29件は軽い傷害を伴い、1件は重い傷害を伴っている、ということを発見しました。
「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」というハインリッヒの法則を見出したということです。
ハインリッヒはこの法則により、何か災害が起こると、その災害に至るまでに数多くの不安全な行動や状態が存在する、ということを主張しています。
重大な災害が起こる前に、つまり「ヒヤリ・ハット」の段階で対処することが重要であるということですね。
ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒとはどんな人物か
1886年生まれ1962年没。
アメリカの損害保険会社にて、技術・調査部の副部長を務めていました。
1929年11月19日に論文を発表し、ハインリッヒの法則について論じました。