「ロゼッタストーン」は日本語で「ロゼッタ石」ともいわれる。フランス語では「Pierre de Rosette」、英語では「Rosetta Stone」だ。
1799年にエジプトのロゼッタで発見された。
このロゼッタ・ストーン、歴史などで名前を知る人は多いが、その歴史的な意味について知っている人は少ないのではないだろうか。
一体なぜ、ロゼッタストーンが歴史的発見だったのか。何が重要だったのだろうか。
ロゼッタストーンに書かれている内容
ロゼッターストーンに書かれている碑文は、古代エジプトのファラオであったプトレマイオス5世によって出された勅令の一部だ。
碑文には、宗教会議の布告で、皇帝礼拝の実施方法が書かれている。
その内容は以下の通り。
父の王位を継いだ若き者、王の中で最も傑出したる者、エジプトの守護者、神々にどこまでも忠実に仕え、敵に対し常に勝利を収め、王国全土に文明をもたらした……不死なる統治者、プタハ(エジプトの創造神)に愛されたる者であるプトレマイオスは、その治世第9年にあたりこの勅令を発布した……祭司長、占い師、神殿の侍者、王の扇持ち、神殿の書記、各地の聖所で奉仕する神官は、プタハに愛されたる不滅の王プトレマイオスの即位を祝うため王国全土から招集された。……神なる両親から生まれ、自身も神である者、エジプト全土の聖所とそれに仕える者たちに対して寛大で、自ら歳入の一部を彼らの給与や食料に充て、神殿の繁栄に努める者、プトレマイオス。彼は治世中、すべての者が富み栄えるために民の税を軽くした。国家に対して債務を負っていた数他の者たちを、それから解放した。投獄されていた者、裁判を待っている者たちに恩赦を与えた。エジプトへの侵入を企てる者たちを撃退するために軍馬、歩兵隊、海軍を備え、国家安全のために膨大な経費や穀物を費やした……
引用元:wikipedia
しかし、ロゼッタストーンが重要だったのは、その碑文の内容ではない。その碑文が3つの言語で書かれていた、ということが重要だったのだ。
そのあたりの事情について、詳しく説明しよう。
ロゼッタストーンに書かれている3種類の文字
ロゼッタストーンには、以下の3種類の文字が書かれている。
・デモティック(古代エジプトの民衆文字)
・ギリシア文字
このうち、ヒエログリフについては、当時は謎の多い文字だった。
ヒエログリフの存在自体は、ロゼッタストーンが発見された当時でもすでに知られていた。
しかし、ヒエログリフは廃れてから長年の月日が経っていたため、解読はほぼ不可能だった。それこそ無数の人が解読に挑戦していたが、その試みはとん挫していたのだ。
そこにロゼッタストーンが発見された。そして、ロゼッタストーンに書かれている3つの言語は、同じ内容を示しているということが明らかになった。
そのため、3つの言語を照らし合わせることにより、ヒエログリフの解読が可能になった。
ヒエログリフの解読を可能にしたという点で、ロゼッタストーンはまさに歴史的な発見だったのである。
シャンポリオンは、エジプトのキリスト教徒が使っているコプト語をヒントに、ヒエログリフを解読した。
ちなみに、発見されたばかりのロゼッタストーンをシャンポリオンに見せてあげたのが「フーリエ変換」などで知られる数学者のジョゼフ・フーリエ。
フーリエは、ナポレオンのエジプト遠征に伴ってエジプトで滞在していた折にロゼッタストーンを発見し、フランスへ持ち帰っていたのだ。
ヒエログリフとは何?
ヒエログリフとは、古代エジプトで使われていた文字である。「神聖文字」や「聖刻文字」ともいわれる。
漢字のような象形文字で、文字の一つ一つが意味を持つ。
宗教や天文関係で使用されていた文字と考えられており、民衆に膾炙した文字というよりも、一部の学識高い人々しか使用していなかったようだ。
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