「知識は能力とならねばならない」は、ドイツ(プロイセン)のカール・フォン・クラウゼヴィッツが『戦争論(Vom Kriege)』で書いた格言だ。
『戦争論』は1800年代前半に書かれた本で、現代の戦争に関する考え方に大きな影響を与えた。
原文(ドイツ語)
「知識は能力とならねばならない」はもともとドイツ語で書かれた。
原文は以下の通り。
Das Wissen muss ein Können werden.
このドイツ語の原文 Das Wissen muss ein Können werden. は、現代の新正書法によるものだ。
『戦争論』が書かれた当時は Das Wissen muß ein Können werden. と書かれていた。
「知識」を「能力」に昇華させる
最近は、「知識」だけはやたらと多いけれど、何かができるわけではない、という人が多くなってきたと感じる。
いわゆる「口だけ人間」だ。自戒の念も込めて記す。
現代のようにインターネットが普及して、豊富な知識が一般庶民に提供されるようになってから、この傾向がますます顕著になったようだ。
今回紹介した格言でクラウゼヴィッツが意味するところは以下のようなことだと思う。
「知識(das Wissen)」、つまり「知っている」だけでは役に立たない。知識は、「能力(ein Können)」、つまり「できる」ことに繋がらなければならない。
いわば「知識」を「能力」に昇華させる、ということだろうか。
そして、それが重要であるとともに、もっとも難しく、時間がかかることなのだ。
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