「豚コレラ」と「豚熱」と、どちらも豚がかかる伝染病ですが、違いはあるのでしょうか。
実は、「豚コレラ」と「豚熱」は、両方とも同じ伝染病を指すのです。
もともとは「豚コレラ」の名称が使用されていましたが、2020年2月5日から「豚コレラ」の名称が「豚熱」に変更されましたのです。
これは、改正された法律の施行にあわせたものですが、一体なぜ名称が変更されたのでしょうか。
「豚コレラ」の名称変更の理由
「豚コレラ」は英語で classical swine fever と呼ばれ、この頭文字を取って日本では「CSF」と表記されることもあります。
さて、一体なぜ、「豚コレラ(CSF)」は「豚熱」に名称が変更されたのでしょうか。
「豚コレラ」は、「コレラ」という名称が使われているのですが、ヒトが感染するものではありません。
しかしながら、「コレラ」という名称が使われているため、どうしてもヒトが感染する「コレラ」を連想してしまうようです。
そのため、「家畜伝染病予防法」という法律を改正して、日本語の表記を変えることに決定したのですね。
ちなみに、中国などで広がる「アフリカ豚コレラ(ASF)」も「アフリカ豚熱」に名称が変わるようです。
「豚熱(豚コレラ)」は人間に感染する?
上述したのように、「豚熱」は人間に感染しません。
その点については安心ですが、畜産業に大きな被害をもたらす伝染病ですので、軽視してよいものでもありません。
「豚コレラ」と「豚熱」の読み方
「豚コレラ」は「ぶたこれら」もしくは「とんこれら」と読みます。
「豚熱」は「ぶたねつ」と読みます。
「豚」は「とん」と読むこともできますから、「ぶた」と「とん」のどちらの読みを使うのか迷いますよね。
「豚熱(豚コレラ)」とは
「豚熱(豚コレラ)」は、ブタの伝染病で、強い感染力と高い致死率が特徴です。
また、治療法は見つかっていないやっかいな病気でもあります。
日本では、長らく感染例がありませんでしたが、2018年9月に岐阜県で感染が確認され、2020年2月までに16万頭以上のブタが殺処分されたそうです。
参考:「豚コレラ」とは何か?