最近、ときどき耳にする「ブレインHQ」。
例えば、「ネスレ ウェルネスクラブ」もプロモーションしている。どうやら、老化と共に衰えた脳を鍛えるものらしい。「ネスレ ウェルネスクラブ」のサイトによると、「最新の脳科学に裏付けられたプログラム」ということらしい。
また、同サイトでは、「ブレインHQ」のすごい点として、以下を挙げている。
「・100人以上の世界的な研究者が協力
・70以上の論文が証明
・ゲーム感覚で手軽
・パソコンやタブレットでいつでもできる」
うーん、なんか凄そうだ。
でも、なんだかよく聞く「脳トレ」と同じような感じがしないでもない。
と思ったら、上記のサイトで以下の文言が。
「よくある脳トレとどこが違うの?と思った方へ」
さすが企業サイト。こちらの思考を読んでらっしゃる(笑)。
なんでも、「ブレインHQ」は「脳トレ」とは以下の点で異なるらしい。
・根本から脳を強化できる
・多くの結果を確認
なんでも、一般的な脳トレとは異なり、記憶の「コツ」の伝授や反復訓練による記憶強化ではないらしい。つまり、小手先の技術ではなく、脳の機能を根本的に強化するということだろうか。
でも、従来の脳トレもそんなに評判悪くないけれどね。
東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング
さて、企業のプロモーションページばかりを眺めていてもよく分からないので、「ブレインHQ」を開発したというアメリカのポジット・サイエンス社(Posit Science)のウェブサイトを調べてみた。
ポジット・サイエンス社のウェブサイトの説明
www.brainhq.com というアドレスがあり、ここがどうやら「ブレインHQ」の公式サイトに違いない。サイトの下には、Posit Science のロゴもちゃんとある。
さて、このサイトには、最初の方に以下の説明がある。
“BrainHQ is an online brain-training system that represents the culmination of 30 years of research in neurological science and related medicine. It was designed by an international team of neuroscientists, led by Michael Merzenich—a professor emeritus in neurophysiology, member of the National Academy of Sciences, co-inventor of the cochlear implant, and Kavli Prize laureate.”
簡単に翻訳すると、以下の通り。
「ブレインHQ(BrainHQ)は、神経科学および関連する医学における30年もの研究の集大成である脳のオンライン訓練システムである。神経生理学の名誉教授であり、米国科学アカデミー(National Academy of Sciences)の会員であり、人工内耳の共同発明者であり、カブリ賞(Kavli Prize)受賞者でもあるマイケル・マージニック(メルゼニッチ)(Michael Merzenich)が率いる国際的な神経科学者チームによって設計された。」
Michael Merzenich 氏といえば、NHKでも放送している TED Talk でも「脳の可塑性(neuroplasticity, brain plasticity)」についてプレゼンテーションをしていた。
こういった本も書いている学者である。⇒Changing Brains: Applying Brain Plasticity to Advance and Recover Human Ability (Progress in Brain Research)
つまり、かなり著名で権威もある脳神経科学の第一人者が率いる神経科学者チームが、30年もの月日をかけて開発したシステムであるということらしい。
もう少し調べてみようかな。