2021年4月8日、フジ・メディア・ホールディングス(HD)が2012年から2014年までの約2年間に外資規制に違反していた状態であった可能性が高いことを明らかにしました。
さて、この「外資規制」とは一体何でしょうか。
「外資規制」とは
外資規制は、簡単にいえば、日本国内の企業における外国資本(外資)の出資比率を20%未満に抑えないといけないよ、という規制です。
日本国家の安全とか主権に関わる産業などでは、外資の影響を低くしないといけないのです。
なぜかというと、日本国の安全保障・国民の安全に関係する産業や、水道や鉄道など国民の生活の基盤となっているインフラ、さらに原発みたいな一つ間違えるとかなり危険なものが外国の資本によってコントロールされると、最悪日本を外国に乗っ取られる可能性もあります。
そうなると大変ですよね。
ですから、外資規制というものがあるわけです。
フジメディアHDが違反したのは、こういった外資規制がかかっている分野のうち、テレビなどの電波放送に関する分野です。
テレビなどの電波も、当然外資規制がかかります。国民の貴重かつ基本的な情報源となるわけですから、外国資本に乗っ取られると大変なことになります。具体的には、電波法や放送法などで、フジテレビなどの基幹放送事業者への外資の影響を限定的にしているわけです。
まあ、当たり前と言えば当たり前の規制だといえます。
フジメディアHDの外資規制違反の経緯
上述のように、日本の主権や国民の生活を守るために重要な外資規制ですが、フジテレビを傘下に持つフジメディアHDが2012年から2014年にかけて違反していた可能性が高いということが判明しました。
同社の説明によると、「計算方法を誤り」、「2012年から2014年まで違反状態だった可能性が高い」、ということです。
なお、同社は2014年9月、株主名簿を精査する際にこの誤りに気付いていたようですが、なんと「公表していなかった」ということです。
詳細については、これから明らかになるようですが、なんとも杜撰なことです。
外資規制違反と偏向報道の関係とは
フジメディアHDが外資規制に違反していたのは2012年から2014年ですが、この時期は、ちょうど傘下のフジテレビの偏向報道問題が大きくなっていた2011年末から2014年と被ります。
外資規制違反が偏向報道につながった可能性は低いとは思います(他の理由があると思われます)が、多くの人があの時期のフジテレビの報道に対して疑問を抱いていたのは事実でしょう(だからこそ、大きな問題となったわけです)。
外資規制が如何に重要な規制であるのか分かりますね。
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