中国の歴史において、「武帝」というと、前漢の武帝を指すことが多い。
この場合、武帝とは劉徹のことである。
しかし、実は武帝は中国の歴史上、12人いるようだ。
「武帝」とは何か
そもそも、「武帝」とは一体どういうものだろう。
人の名前ではない、というのはすぐに分かるが、どういう位置づけの名称なのだろうか。あだ名?位の名称?
実は、「武帝」とは、皇帝に奉る諡号(しごう)の1種である。
諡号とは、簡単にいえば、「偉い人が死んだ後に、その故人の業績に基づいて付けられる名前」みたいなものだ。
「武帝」の場合、その名前が示すように、武力を使って勢力を広げた皇帝に奉る諡号だという。
ということなので、「武帝」が付けられる皇帝は、特に1人に限る必要性はなく、「強い皇帝」に贈られる諱であるといえる。
有名な「武帝」は
というわけで、12人もの武帝が生まれることになったわけだが、有名な武帝は誰だろう。
冒頭に書いたように、もっとも有名なのは前漢の武帝であることに異論がある人はいないだろう。
単に「武帝」と言えば、多くの場合、前漢の武帝、すなわち劉徹を指す。
では、前漢の武帝以外に有名な人物はいるのだろうか。
中国の歴史といえば三国志が人気だが、三国志に詳しい人であれば、西晋の武帝を挙げるかもしれない。
西晋の武帝は、魏を滅ぼして晋を建国した司馬炎のことだ。
司馬炎は、三国のうち未だ残っていた呉を滅ぼし、280年に中国を統一した。
司馬炎は、呉を滅ぼして中国を統一した、という点では、武帝の名に相応しい人物であったとは思うが、その後の治世には失敗した。
武力による中国統一には成功したものの、治世には失敗し、盤石な体制を築けなかった、という点において、武帝の名は相応しいかもしれない。
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