「偉い」とか「偉人」の「偉」のにんべんを除いた右側の漢字、「韋」は何と読むか分かるだろうか。
なかなか使う機会のない漢字だが、例えば「韋駄天」などで使われる。
今回は「韋」という漢字について紹介しよう。
「韋」の読み方と意味
「韋」は、音読みで「イ」と読む。
また、訓読みでは「なめしがわ」と読む。
「なめしがわ」は動物の皮のことで、毛や脂肪を取り除いた柔らかくしたものだ。
「なめし皮」とか「なめし革」という風に表記されることが多い。
それでは、「韋」を使った言葉について見ていこう。
「韋駄天」とは 読み方と意味
「韋駄天」は、「イダテン」と読む。
仏教における神様の一人で、足がとても速いという。
そこから、足が速い人のことを「韋駄天」などとたとえるようになった。
また、「韋駄天」のように速く走ることを「韋駄天走り」という。
ただ、韋駄天が足が速いというのは、どうも俗説らしい。
なお、「韋駄天」は、「韋陀天」と表記されることもあるようだ。
「韋編」とは 読み方と意味
「韋編」は、「イヘン」と読む。
「書物」とか「書籍」の意味だ。
古代中国では、紙ではなく竹簡が書物として使われていたが、その竹簡は革ひもで綴じられていたという。
「韋編三絶」とは 読み方と意味
「韋編三絶」は、「イヘンサンゼツ」と読む。
「韋編」は、上述したように、書物という意味である。
「韋編三絶」の意味は、「同じ書物を繰り返し読むこと」である。そこから、「学問に熱心であること」も意味する。
故事成語の一つで、孔子が『易経』を何度も読んだために、その書物を綴じた革紐が何度も切れてしまったことから来ている。
「典韋」とは 読み方と意味
「典韋」は人名で、「テンイ」と読む。
『三国志』(⇒https://amzn.to/3sGiUQr)に出てくる後漢末期の武将だ。「悪来典韋」と呼ばれることもある。曹操に使えた豪傑。
まあ、三国志でも読まない限りあまり出くわさない名前であるが、三国志が好きなカンタとしては、用例に入れずにはいられなかった…。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年