人間の脳が高性能になったのは、果物を食べたからだったー。
そんな驚きの研究が発表されました。
私たちが普段食べているフルーツが頭の良さに関係していたとは、一体どういうことでしょうか。
人間の脳が大きくなったのは果物のおかげ?
2017年3月27日に発表された研究論文によると、人間の脳が大きく強力になった背景には、果物の摂取が関係しているというそうです。
論文の責任著者は、米ニューヨーク大学(New York University)の研究者であるアレックス・デカーシエン(Alex Decasien)氏。
米科学誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション(Nature Ecology and Evolution)」 で発表されました。
デカーシエン氏によると、フルーツにより、人間は非常にに巨大な脳を手に入れ、食物の質を大幅に拡大して現在の食事に繋がったということです。
また、果物を食べることにより、葉などの基本的な食糧よりも豊富なエネルギーを摂取できるようになったそうです。
これが、脳をさらに大きくさせたようですね。
今回の研究によると、果物を食べる霊長類は、葉を主食とする霊長類よりも、なんと約25%も大きな脳を持っているというということです。
ということは、研究では果物を食べる霊長類と葉っぱを主食とする霊長類の脳の大きさを比較したということでしょうか。
着眼点が面白いですね。
確かに、フルーツには、植物とは異なる栄養素が豊富に含まれていることが多いようです。
特に、糖分やビタミンが豊富だと感じます。
これまでの説との相違点
1990年代半ばから主流となっている説では、複雑な社会集団を営む上で、脳が大型化されていったというものでした。
今回の研究は、この従来の説とは異なるものです。
デカーシエン氏の指摘によると、従来の説における社会集団での生活は、知能を高めた可能性があるものの、脳の大脳皮質(灰白質)の大きさには関係していないということです。
確かに一理あります。
さらにいえば、果物により、知能の器が広がり、集団生活を生き延びることにより、その知能の質が高まったということでしょうか。
脳は「非常に高くつく臓器」で多くのエネルギーを必要とする
大きい脳を維持するにも、果物のような豊富なエネルギー源が必要です。
人間の脳は体重の2%なのに、全エネルギーの25%を消費しているそうです。
デカーシエン氏によると、
脳は、非常に高くつく臓器
なのです。
確かにその通りですね。
大型の脳を維持するためにも、やはり果物が必要であったということです。
フルーツを食べて成績アップ?
そういえば、色んな研究機関が推奨する食物摂取でも、穀物や野菜とか卵などのタンパク源の他に、かならず果物も入っています。
フルーツは、私たちの脳を健全に維持するには欠かせないものなのです。
勉強する際には、お菓子よりもフルーツを食べながらすれば、学習効率も上がるかもしれませんね。
まあ、最近は飽食の時代なので、どちらかというとエネルギー過多のような気もしますが…。
科学的データでわかる 果物の新常識:ガン・心臓病・脳卒中・認知症を寄せつけない 知られざる果物の機能性
医学についてもっと学ぼう。
↓
参考資料:
『人間の脳の大型化、果物が後押しか 研究』、AFP、2017年3月28日、http://www.afpbb.com/articles/-/3122959