少し前に話題になった Yuval Noah Harari 著の Sapiens: A Brief History of Humankind によると、人類に影響を与えた革命が3つあるという。
すなわち、
① the Cognitive Revolution(認知革命)
② the Agricultural Revolution(農業革命)
③ the Scientific Revolution(科学革命)
である。
この本は、これら3つの革命がどのように人間に影響を与えたのかを物語る本だ。
2つの「認知革命」
上に挙げた3つの革命のうち、the Cognitive Revolution は7万年前に起こったとされる。この革命により、「fictive language(虚構の言語)」が生まれたという。
この「認知革命」では、人間の認知能力が飛躍したとされている。
さて、実は「cognitive revolution」と呼ばれるものには、本書で述べられているような「認知革命」以外に、もう一つある。
もう一つの「cognitive revolution」は、認知科学上における「認知革命」である。
こちらは、1950年代に起こった知的活動につけられたもので、認知科学を産み出すきっかけとなったものだ。
認知科学とは、人間などの知的活動や認知機能の解明を目的とした学問で、心理学や神経科学など多岐の分野にわたる。
一方の認知革命が「人間の認知能力の飛躍」を表現するのに対し、もう一方の認知革命が「人間の認知能力の解明」を目的としているということで、両者はある意味対照的な意味を持つ。
ある事象の発現とその事象の解明に同じ用語が用いられている。この点は、結構面白い。
Sapiens: A Brief History of Humankind
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