言偏(ごんべん)に「牙」と書いて、「訝」という漢字があります。
さて、この漢字「訝」をご存知ですか。
「訝しい」とか「訝る」という言葉で使われます。また、「怪訝」という言葉でも使われますね。
「訝」の読み方 音読み・訓読み
「訝」の音読みは「ガ」「ゲン」です。
また、「訝」の訓読みは「いぶか(る)」「いぶか(しい)」です。
「訝」の意味
「訝」は、「疑う」とか「あやしむ」という意味を持つ漢字です。
また、それらの意味とはかなり異なり、「人を迎える」とか「迎えてねぎらう」という意味もあります。
この「人を迎える」という意味においては、後述の「訝賓」という言葉があります。
「疑う」と「人を迎える」という、ともすれば反対の意義を持つ漢字なのですね。
それでは、「訝」を使った言葉を見ていきましょう。
「訝しい」とは 読み方・意味・類語
「訝しい」は、「いぶかしい」と読みます。
「訝しい」の意味は、「あやしい」とか「疑わしい」などです。
例えば、「あの男には訝しい行動がある」という風に使います。
「訝しい」の類語には、「怪しい」や「疑わしい」、「不審である」などがあります。
「訝る」「訝しむ」とは 読み方・意味・類語
「訝る」は、「いぶかる」と読みます。また、「訝しむ」は「いぶかしむ」と読みます。
「訝る」と「訝しむ」は、ともに「あやしむ」、「疑わしいと思う」や「不審に思う」という意味です。
例えば、「その女は、訝るような視線を向けてきた」という風に使います。
「訝る/訝しむ」の類語に、「怪しむ」などがあります。
「訝賓」とは 読み方・意味
「訝賓」は「がひん」と読みます。
「訝賓」の意味は、「途中まで客を出迎えて労をねぎらう」という意味です。
「怪訝」とは 読み方・意味・類語
「怪訝」は「けげん」と読みます。
「怪訝」とは、「その場の事情などが分からず、または納得がいかず、いぶかるさま」という意味です。
怪訝を使う表現として、「怪訝そうな顔」や「怪訝に思う」などがあります。
「怪訝」の類語に「不審」があります。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年