勿論の「勿」にりっとう偏(リ)で「刎」という漢字があります。読み方や意味が何か分かりますか。
「刎頸の交わり」という故事成語で使われますね。
「刎」の読み方 音読み・訓読み
「刎」の音読みは「フン・ブン」です。
また、「刎」の訓読みは「は(ねる)・くびは(ねる)」です。
「刎」の意味
「刎」には、「はねる」という意味があります。
「刎ねる(はねる)」とは、「飛ばすように切り捨てる」という意味ですが、特に「首を刎ねる」という風に使わることが多いです。
「刎頸」とは 読み方と意味
「刎頸」は「ふんけい」と読みます。
「刎頸」とは、「首を刎ねる(切る)こと」という意味です。
「斬首」と同じような意味です。
次に述べる「刎頸の交わり」という故事成語で使われます。
「刎頸の交わり」とは
「刎頸の交わり」とは、「相手のためなら首を斬られてもよいと思えるほど、親密な交際」という意味です。
これは、『史記』に見られる故事から来ています。
中国の春秋戦国時代、趙という国に、武勇を誇る廉頗(れんぱ)将軍がいました。
この廉頗将軍は、藺相如(りんしょうじょ)という人物が王に気に入られ、昇進していることに腹を立てていました。
藺相如は弁舌に優れていたため、「口が達者なだけで王に取り入っている」と廉頗将軍は考えていたわけですね。
しかし、藺相如は、廉頗将軍との対立をうまい具合に避けていました。これは、藺相如が廉頗を恐れていたから、というわけではなく、趙の実力者である藺相如と廉頗が争えば、大国の秦が趙に攻め入る機会を与えるからという理由からでした。
これを知った廉頗は、己の無知を恥じ、藺相如に謝罪するとともに、二人は親密な交際を始めたのです。
「自刎」とは 読み方と意味
「自刎」は「じふん」と読みます。
「自刎」とは、「自分自身の首を刎ねて自殺すること」という意味です。
「自頸(じけい)」とも言います。
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年