人偏(にんべん)に十と書いて、「什」という漢字があります。読み方や意味が何か分かりますか。単純な漢字ですが
単純な漢字ですが、知らない人は多いのではないでしょうか。
この漢字「什」は、例えば「什器」や「什物」といった言葉で使われます。
今回は、「什」について学びましょう。
「什」の読み方 音読み・訓読み
「什」の音読みは、「ジュウ」です。
また、「什」の訓読みは、「とお」です。
「十」と同じような読み方ですね。実際、「什」は「十」と似たような意味も持ちます。
「什」の意味
「什」は、「10で一組のもの」とか「数の10」といった意味を持ちます。
証書や領収書などで、書き替えといった不正を防ぐために、「十」の代わりに使うことがあるそうです。
「什」には、さらに「日常的に使う様々な道具や器具」といった意味があります。この意味においては、後述の「什器」とか「什物」といった言葉で使われますね。
「什器」とは 読み方と意味
「什器」は「ジュウキ」と読みます。
「什器」の意味は、「日常生活で使用する家具や道具の類」です。持ち運べる程度の大きさのものを指します。
「什器備品」という風に使われますね。
「什器」は、後に述べる「什物」と同じような意味です。
「什物」とは 読み方と意味
「什物」は「ジュウモツ」と読みます。「ジュウブツ」ではないんですね。
「什物」の意味としては、先に述べた「什器」と同じく、「日常的に使用する家具や道具」などを意味します。
ただ、「什物」には、ほかに「寺院や神社などが所蔵する器具など」といった意味もあります。
さらに、「秘蔵している(由緒ある)器具や宝物」という意味もあり、この意味においては、後に述べる「什宝」と同じように使われます。
「什一」とは 読み方と意味
「什一」は「ジュウイチ」と読みます。
「什一」とは、「一割」もしくは「10パーセント」と同じような意味です。
さらに、「什一」は「土地にかける税」という意味もあります。
これは、「什一」が、「古代中国で収穫の10分の1について徴収された地租」であったことが由来のようです。
「什宝」とは 読み方と意味
「什宝」は「ジュウホウ」と読みます。
「大切にしまってある秘蔵の道具類」という意味です。
類義語に、先に述べた「什物」があります。
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年