人偏(にんべん)に加えると書いて、「伽」という漢字があります。
梵語の音訳によく使われますので、たとえば「伽藍」などの仏教用語に使われます。
また、歴史小説などを読んでいると「夜伽」といった言葉も目にすることがあるのではないでしょうか。
「伽」は日本文化にも関係の深い漢字ですので、是非覚えましょう。
「伽」の読み方 音読み・訓読み
「伽」の音読みは「カ」「ガ」「キャ」です。
また、訓読みは「とぎ」です。
「伽」の意味
「伽」には、「とぎ」という意味があります。
「伽(とぎ)」とは、「退屈を慰めること」という意味です。
また、後述の「夜伽」の意味で使われることもあります。
「伽」は、梵語(サンスクリット語)の音訳で、「カ」、「ガ」、「キャ」の音に当てられることも多いです。
「御伽噺」とは 読み方と意味
「御伽噺」は「おとぎばなし」と読みます。
「おとぎばなし」を漢字で書くと「御伽噺」となるんですね。ほかにも「御伽話」や「お伽話」などと書かれることもありますが、基本的には「おとぎ話」と書かれることが多いですね。
もともと、「御伽噺」は、「退屈を慰めるために語った話」という意味で使われていましたが、これが転じて「子供に聞かせる童話」といった現在の意味で使われるようになりました。
「伽藍」とは 読み方と意味
「伽藍」は「がらん」と読みます。
「伽藍」とは、「寺院の建物」という意味で、特に大きな寺院の建造物を指します。
「七堂伽藍」とは、仏教の寺院において、7つの主要な建物を指します。どの建物を七堂伽藍とするかは、宗派によって異なります。
「伽羅」とは 読み方と意味
「伽羅」は「きゃら」と読みます。
「伽羅」とは、インド原産のジンチョウゲ科の樹木の別称です。また、この樹木からとった香料のことも指します。香料「沈香(じんこう)」の中でも優良品を指します。
「夜伽」とは 読み方と意味
「夜伽」は「よとぎ」と読みます。
「夜伽」とは、「一晩中寝ないでそばに付き添うこと」という意味です。
また、歴史小説でよく使われる「夜伽」は、「女が男の求めに応じて一緒に寝ること」という意味で使われることが多いですね。
さらに、「通夜で遺体に付き添うこと」という意味で使われることもあります。
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年