言偏(ごんべん)に韋(偉いの右側)で、「諱」という漢字を何と読むか分かりますか。
現代ではあまり使われることのない漢字ですが、歴史に詳しい人は見かけたことがあるかもしれません。
「諱」の読み方 音読み・訓読み
「諱」の音読みは「キ」です。
また、「諱」の訓読みは「い(む)・いみな」です。
「諱」の意味
「諱」には、「いむ」や「いみきらう(忌み嫌う)」という意味があります。
「諱む(いむ)」とは、「口に出すのをはばかる」という意味です。
また、「諱」は「いみな」と読む場合があります。
「諱(いみな)」とは何か
「諱(いみな)」とは、「忌み名」とも書かれ、元々は「亡くなった人の生前の名」という意味です。名前は、生きている間は「名」、死後は「諱」と区別されています。
死者や、人、特に貴人を本名で呼ぶことは失礼であり避けるべきであるという風習から、「忌み名」と呼ばれました。
昔は、本名はその人物の人格と霊的に結ばれており、本名で呼ぶと、その人物を霊的に支配できると考えられていたようですね。そのため、人を本名で呼ぶことができるのは、その人の主君などに限られていました。
「忌諱」とは 読み方と意味
「忌諱」は「きい」もしくは「きき」と読みます。「きい」の方が慣用読みです。
「忌諱」とは、「忌み嫌うこと」という意味です。
「目上の人を怒らせること」を「忌諱に触れる」と表現することがあります。
なお、漢字の並びが逆転して「諱忌(きき)」と書かれることもあります。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年