衣偏(ころもへん、ネに似た部首)に禁じると書いて「襟」という漢字があります。
例えば、「襟足」といった言葉で使われます。日常的に使われますが、漢字で書くと難しいですね。
今回は、漢字「襟」について解説します。
「襟」の読み方 音読み・訓読み
「襟」の音読みは「キン」です。
「襟」の訓読みは「えり」です。また、常用外で「むね」と読むこともあります。
「襟」の意味
「襟」には、「(衣服の)えり」という意味があります。
「襟足」の読み方と意味
「襟足」は「えりあし」と読みます。
「襟足」とは、「頭の後ろ、つまり後頭部の下の髪の生え際」のことです。
最近では、後頭部の下側の髪が長い状態のことを「襟足が長い」という風に表現することもありますね。
「襟髪」の読み方と意味
「襟髪」は「えりがみ」と読みます。
「襟髪」とは、「頭の後ろに生える髪」のことです。
例えば、「襟髪をつかむ」という風に使います。
「襟首」の読み方と意味
「襟首」は「えりくび」と読みます。
「襟首」とは、「首の後ろの部分」のことで、「うなじ」や「首筋」と同様の意味です。
「襟帯」の読み方と意味
「襟帯」は「きんたい」と読みます。
「襟帯」とは、「(着物の)襟(えり)と帯(おび)」という意味です。
ただ、この意味が転じて「山や川に囲まれた自然の要害の地」という意味でも使われます。襟を山、帯を川にたとえているわけですね。
「襟度」の読み方と意味
「襟度」は「きんど」と読みます。
「襟度」とは、「(異なる)人の意見などを受け入れられる心の広さ」という意味です。
「度量(どりょう)」と同じような意味です。
「開襟」の読み方と意味
「開襟」は「かいきん」と読みます。
「開襟」とは、「襟を開くこと」という意味です。
例えば、「開襟シャツ」という風に使います。
また、「襟を開くこと」という意味が転じて「心を開くこと」という意味でも使います。
「胸襟」の読み方と意味
「胸襟」は「きょうきん」と読みます。
「胸襟」とは、「胸と襟」という意味ですが、「心の中」や「胸の内」という意味でも使われます。
また、「胸襟を開く」という表現は、「心の中を隠すことなく打ち明けて話す」という意味です。
「胸襟」と似た意味の言葉に「胸懐(きょうかい)」があります。
「宸襟」の読み方と意味
「宸襟」は「しんきん」と読みます。
「宸襟」とは、「天子の心」や「親心」という意味です。
ここでいう「天子」とは、宗教的な「天使」ではなく、「帝王」や「天皇」という意味です。
「宸」は「天子」という意味を持つ漢字です。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年