さんずいに「エ」と「鳥」と書いて、「鴻」という漢字があります。
例えば、「鴻鵠」といった言葉で使われます。
今回は、漢字「鴻」について学びましょう。
「鴻」の読み方 音読み・訓読み
「鴻」の音読みは「コウ」です。
また、「鴻」の訓読みは「おおとり」「おお(きい)」です。
「鴻」の意味
「鴻」は、「おおとり」、つまり「大きな水鳥」や「白鳥」という意味があります。
また、「大きい」とか「広い」という意味もあります。
「鴻」の部首はさんずいではない?
「鴻」の部首は、さんずいかと思っていましたが、実は「鳥」なんですね。
「鴻学」とは 読み方と意味
「鴻学」は「こうがく」と読みます。
「鴻学」の意味は、「学問に深く通じていること、またはその人」です。
似たような意味の言葉(同義語)に、「碩学(せきがく)」があります。
「鴻鵠」とは 読み方と意味
「鴻鵠」は「こうこく」と読みます。
「鴻鵠」とは、「大型の鳥」という意味で、この意味が転じて「大人物」とか「英雄」のたとえとしても使われます。
「鴻鵠」を使った表現として、以下に述べる「鴻鵠の志」があります。
「鴻鵠の志」の意味
「鴻鵠の志」とは、「大人物の志」という意味です。
元々は、「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」という有名な格言に由来すると思われます。
この格言の意味は、「燕(ツバメ)や雀(スズメ)のような小鳥には、オオトリのような大きな鳥の志は分からない」というものです。
中国の秦の時代、始皇帝の圧政に対抗して立ち上がった陳勝が語った名言とされています。
詳しくは、以下の記事で触れています。
⇒「僭(にんべんに替)」という漢字は何?読み方・意味・熟語「僭越」「僭称」など
「鴻毛」とは 読み方と意味
「鴻毛」は「こうもう」と読みます。
「鴻毛」の意味は、「鴻(大型の水鳥)の羽毛」です。
また、「非常に軽いもの」のたとえとしても使われます。
例えば、「命は鴻毛より軽し」という表現があります。「命を捨てるのは惜しくない」という意味です。
この言葉は、中国の歴史書『史記』を書いたことで知られる、前漢の偉大な歴史家・司馬遷が、『報任少卿書』で用いた表現が元となっています。
「鴻臚館」とは 読み方と意味
「鴻臚館」は「こうろかん」と読みます。
「鴻臚館」とは、「日本の古代(律令時代)に設けられた、外国使節を応接する施設」のことです。
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年