
「拘(こう)」という漢字をご存じですか?
手偏(てへん)に「句」と書くこの漢字は、「拘留」「拘置」などの法律・刑罰に関する場面でよく登場します。
この記事では、「拘」という漢字の読み方・意味に加え、「拘束」「拘引」「拘泥」などの代表的な熟語の使い方や違いについて、わかりやすく解説します。
「拘」の読み方 音読み・訓読み
「拘」の音読みは「コウ」です。
また、「拘」の訓読みは、常用外で「とら(える)・とど(める)・かか(わる)・こだわ(る)」です。
「拘」の意味
「拘」には、以下のような意味があります:
・人をとらえる/つかまえること
例:「容疑者を拘束する」
・物事にこだわる・かかわること
例:「形式に拘泥する」
つまり、「拘」という字は、物理的な束縛と精神的なこだわりの両方を表すことができる漢字です。
「拘」の使われ方|代表的な熟語と意味一覧
「拘」という漢字は、法律やニュースなどの硬い文章でよく見かける熟語に多く使われています。ここでは、特に使用頻度の高い言葉を中心に、その意味や使い方を順に解説します。
拘束(こうそく)とは?
「拘束」とは、人の身柄や行動の自由を制限することを意味します。
たとえば、犯罪捜査において「犯人を拘束した」といえば、警察がその人物の自由を奪って身柄を押さえたことを指します。
また、「時間に拘束される」「契約に拘束される」などのように、物理的でない場面でも使われることがあります。
拘留(こうりゅう)とは?
「拘留」は、刑罰の一種で、1日以上30日未満の期間、拘置場に被告人などを拘束することを意味します。
たとえば、「略式命令により10日間の拘留が科された」といった形で使われます。
似た言葉に「勾留(こうりゅう)」がありますが、こちらは刑罰ではなく、裁判のために一時的に身柄を拘束する手続きを指します。
拘置(こうち)とは?
「拘置」とは、容疑者や被告人などを法に基づいて拘禁施設に留め置くことです。
この言葉は、実務上では「拘置所」「拘置命令」といった形でよく使われます。
たとえば、「被告人は東京拘置所に拘置されている」という風に使われます。
拘禁(こうきん)とは?
「拘禁」とは、人を捕らえて閉じ込めることを意味する言葉で、一般的には「監禁」とほぼ同じ意味合いで使われます。
また、法律的な場面では、「被疑者を長期間、留置場に拘禁する」など、捜査過程の措置を表す際にも用いられます。
拘引(こういん)とは?
「拘引」は、人を強制的に連行することを意味します。
たとえば、「被疑者は裁判所の命令によって拘引された」といった使われ方をします。
なお、法律用語としての「拘引」は、「勾引」と書かれることが多く、「尋問や取調べのために強制的に連行する」という明確な意味を持ちます。
拘泥(こうでい)とは?
「拘泥」とは、細かいことにこだわる・執着することを意味します。
日常では、「形式に拘泥するな」「些末な問題に拘泥していては前に進めない」などの表現で使われます。
「拘泥る」と書いて「こだわる」と読む場合もありますが、やや古風な表現です。
まとめ:よく使われる「拘」の熟語は?
「拘束」「拘留」「拘置」などは、ニュースや法律関連の情報でよく見かける重要語句です。一方で、「拘泥」や「拘引」などは、少し文語的または専門的な印象を持つ熟語です。
それぞれの使用場面や意味の違いを正しく理解しておくことで、ニュースや法律文書の理解もスムーズになるでしょう。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年
