「大」という字の両側に「人」、もしくは人人人に横棒を加えると、「夾」という漢字になります。「挟む」の右側に似ていますね。
さて、この「夾」という難読漢字を知っていますか。
なかなか使うことはありませんが、「夾雑物」といった言葉で使うことがあります。
「夾」の読み方・発音 音読みと訓読み
「夾」の音読みは「キョウ」です。
また、訓読みは「はさ(む)」、「さしはさ(む)」です。
「夾」の意味
「夾」は、「はさむ」とか「さしはさむ」という意味です。
また、「まじる」という意味もあります。
「たすける」という意味で使われることもあるようです。
それでは、「夾」を使った言葉を見ていきましょう。
「夾雑」とは 読み方と意味
「夾雑」は「キョウザツ」と読みます。
「いろいろなものが混じること」という意味です。
技術関連の専門書などで「夾雑物」という言葉が出てきます。これは、「ある物質に混ざったもの」という意味で、あるものに混ざってしまった望ましくない物質、もしくは「不純物」といった意味合いで使われます。
「夾竹桃」とは 読み方と意味
「夾竹桃」は「キョウチクトウ」と読みます。
は、キョウチクトウ科キョウチクトウ属で、インド原産の常緑低木です。
園芸植物として扱われることがありますが、毒性が強いので取り扱いには注意が必要です。
葉がタケに似ていて、花がモモに似ていることから、「夾竹桃」という名前がつけられたそうです。
「キョウチクトウ」とカタカナで書かれることが多い植物です。
オランダの画家ゴッホのお気に入りの花だったようで、『夾竹桃と本のある静物』という絵も残しています。
「夾纈」とは 読み方と意味
「夾纈」は「キョウケチ」と読みます。
古代の染色法の一つです。
現在では、「板締め」、「板締め染め」と呼ばれています。
なぜ「板締め」と呼ばれているかというと、二枚の板木で生地を挟んで締める技法だからです。
この二枚の板木には、模様や柄が彫ってあって、その部分が防染され、白く残ります。
「夾纈絞り」の着物などもあります。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年