路の下に鳥と書いて、「鷺」という漢字の読み方や意味が何か分かりますか。
「鳥」が使われているので、鳥の一種を指す漢字であると推察できますが…。
「鷺」の読み方 音読み・訓読み
「鷺」の音読みは「ロ」です。
また、「鷺」の訓読みは「さぎ」です。
「鷺」の意味
「鷺」は、鳥の「さぎ」を表す漢字です。
「鷺(さぎ)」とは、サギ科の鳥の総称のことで、ツルに似た鳥のことです。
世界各地に生息しており、細長いくちばしを使って、魚などを捕まえて食べます。
「烏鷺」とは 読み方と意味
「烏鷺」は「うろ」と読みます。
「烏鷺」とは、「カラスとサギ」という意味です。
「烏鷺」の「烏」は「カラス」という意味ですね。
また、カラスが黒く、サギが白いことから、「黒と白」という意味もあります。
囲碁を「烏鷺」と表現することもあります。
「白鷺」とは 読み方と意味
「白鷺」は「はくろ」もしくは「しらさぎ」と読みます。
「白鷺」とは、サギ科の鳥のうち、白い鳥のことを指します。
具体的には、ダイサギやチュウサギなどを指します。
私事で恐縮ですが、「白鷺」という言葉を聞くと、私は「白鷺拳」を思い出します。
『北斗の拳』という漫画があるのですが、この漫画にシュウという名前の人気キャラがいます。このシュウが使う拳法が「南斗白鷺拳」でした。
「朱鷺」とは 読み方と意味
「朱鷺」は「しゅろ」もしくは「とき」と読みます。
「朱鷺」とは、トキ科の鳥のことです。「鴇」や「鵇」、「桃花鳥」と書かれることもあります。
全体的に白いですが、翼の部分などがピンクもしくは淡い紅色をしているので、「朱鷺」と書かれるのだと思います。
かつては絶滅の危機に瀕していました(日本の種は絶滅)が、保護活動を経て、現在では数千羽まで個体数が回復しているようです。
「鷺を烏(と言いくるめる)」とは
「鷺を烏」もしくは「鷺を烏と言いくるめる」とは、明らかに間違いであることを正しいと、もしくは正しいことを間違いだと主張すること、という意味です。
無理やり事実をねじ曲げたり、屁理屈をつけたりして、強引に主張を押し通すというたとえのことわざですね。
少し意味合いが異なりますが、「馬鹿」という言葉の由来もこの「鷺を烏」と似たようなものです。
「馬鹿」は、中国の秦帝国の趙高という宦官による故事が元となっています。
古代中国、初めて中国を統一した始皇帝が死亡し、その後を胡亥(こがい)が次いで皇帝となりましたが、政治の実権はその家臣であり宦官でもあった趙高が握っていました。
その趙高がどれだけ権勢を誇っていたかを物語るエピソードに以下のようなものがあります。
趙高は、ある日、皇帝・胡亥の元に鹿を連れて行き、「珍しい馬を連れてきました」と言います。
胡亥はそれを見て、「これは鹿ではないか」と言いますが、趙高を恐れる周りの側近たちは「馬です」と趙高に同調します。
中には「何を言う、鹿ではないか」と言う側近もいました。しかし、正しいことを主張した側近たちは、後日、趙高によって処刑されたということです。
この故事が「馬鹿」という言葉の元になったということです。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年