革に肖像の肖(消すの右側)で「鞘」という漢字があります。
刀剣に詳しい方であれば当然知っているであろう漢字ですが、一般ではなかなか見かけません。
「鞘」の読み方 音読み・訓読み
「鞘」の音読みは「ショウ」です。
また、「鞘」の訓読みは「さや」です。
「鞘」の意味
「鞘」は、「さや」という意味です。
「鞘(さや)」とは、刀剣などを収納し保護するための筒のことです。
また、価格や利益の設定による差額という意味もあります。
この意味においては、「鞘を取る」という表現があります。
「鞘を取る」とは、「買ったときの価格と売った時の価格の差額により利益を得ること」を意味します。
後述の「利鞘」と同じ意味です。
「鞘当て」とは 読み方と意味
「鞘当て」は「さやあて」と読みます。
「鞘当て」とは、元々は「武士がすれ違ったときに刀の鞘が触れ、互いに咎めたてること」という意味です。
この意味が転じて、「ちょっとしたきっかけから起こった争い」という意味で使われるようになりました。
また、「鞘当て」には、「1人の女性を巡って2人の男性が争うこと」という意味もあります。「女性を巡る三角関係」のことですね。
この意味においては、「恋の鞘当て」という表現があります。
「鞘堂」とは 読み方と意味
「鞘堂」は「さやどう」と読みます。
「鞘堂」とは、「堂や蔵などの建築物を保護するために、その建築物の外側を覆うように作られた建物」のことです。
有名なものに、中尊寺金色堂の鞘堂があります。
「利鞘」とは 読み方と意味
「利鞘」は「りざや」と読みます。
「利鞘」とは、「商品などの売買において、買値と売値の差により得た利益」という意味です。
例えば、「利鞘を稼ぐ」という風に使います。
為替において、各国の通貨の売買や金利差によって利鞘を稼ぐ取引のことを外国為替証拠金取引(FX)といいます。
【DMM FX】について詳しくはこちら「鞘走りより口走り」の意味
「鞘走りより口走り」という表現・ことわざがあります。
「鞘走りより口走り」とは、「刀を鞘から抜くよりも、口から失言が出るほうが危険である」という意味で、失言を戒める表現です。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年