手偏(てへん)に、「憂」もしくは「優しい」の「優」の右側を組み合わせると、「擾」という漢字になる。
さて、この「擾」という漢字をご存じだろうか。
なかなか見かけることは少ない漢字かもしれないが、例えば「擾乱」や「騒擾」という言葉で見かけることもある。
「擾」の読み方 訓読みと音読み
「擾」は、音読みで「ジョウ」と読む。
また、訓読みは「みだ(れる)」、「さわ(ぐ)」、「わずら(わしい)」、「な(らす)」だ。
「擾」の意味
「擾」は、「みだす」とか「みだれる」という意味の漢字だ。「かきみだす」とか「さわぐ」、「わずらわしい」という意味もある。
また、「なつける」とか「ならす」という意味もある。
それでは、「擾」の使用例を見ていこう。
「擾乱」の読み方と意味
「擾乱」は「ジョウラン」と読む。
「みだれ騒ぐこと」という意味だ。
しばしば、戦争などに結び付けて使われ、「戦乱」と同じような意味合いで使われる。
例えば、日本史において「観応の擾乱(かんのうのじょうらん)」と呼ばれる戦乱がある。
日本の南北朝時代、正平5年(観応元年、1350年)に室町幕府で起こった内紛による戦乱で、約1年半続いた。
簡単に言えば、将軍足利尊氏の派閥とその弟の足利直義の派閥の戦いだ。結局、直義の死によって、この擾乱に終止符が打たれた。
「擾擾」の読み方と意味
「擾擾」は「ジョウジョウ」と読む。
「ごたごたと乱れる様子」を示す。
「騒擾」の読み方と意味
「騒擾」は「ソウジョウ」と読む。
「(大勢で)騒ぎを起こし、秩序を乱したり、公共の平穏を侵害したりすること」を意味する。「騒乱」や「騒動」と同じような意味で、より文語的な表現である。
刑法106条で規定されている「騒乱罪」は、かつては「騒擾罪」と呼ばれていた。
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