老冠(おいかんむり)に毛を書くと、「耄」という漢字になります。
「毛」の上に「老」をのっけたような形の漢字ですね。
「耄碌」といった言葉で使われることがありますが、なかなか漢字で書くことは少ないです。
今回は、「耄」についてご説明しましょう。
「耄」の読み方と意味
「耄」は、音読みで「モウ」「ボウ」と読みます。
例えば、「耄碌(モウロク)」などで使われる読み方です。
また、「耄」は訓読みで「おいぼ(れる)」「ほう(ける)」「としよ(り)」と読みます。
「耄」の意味は、以下の通り。
①おいる。おいぼれる。ほうける。
②老人。年寄り。
それでは、「耄」を使った言葉の読み方や意味を見ていきます。
「耄碌」とは 読み方と意味
「耄碌」は「モウロク」と読みます。
「年を取って、心身のはたらきが衰えること」を意味します。
「耄碌するにはまだ早いぞ」みたいな形で使われますね。
「碌(石へんに「録」の右側に似た部分)」は「役に立たない」という意味になります。
「耄ける」とは 読み方と意味
「耄ける」は「ほうける」と読みます。
「知覚が鈍る」とか「ぼんやりする」とか「ぼける」といった意味になります。
「呆ける」と書くほうが一般的ですね。
「病み耄ける」とか「耄けたことを言う」などに使われます。
「耄耄」とは 読み方と意味
「耄」を2つ並べて書く「耄耄」は、「モウモウ」と読みます。
「老いぼれたさま」を意味します。
上に挙げた「耄碌」と同じような意味です。
「耄耋」とは 読み方と意味
「耄耋」は「ボウテツ」と読みます。
「耄」と「耋(老の下に至)」を組み合わせた言葉です。これらの漢字は両方とも「老人」という意味です。また、いずれの漢字も「70歳もしくは80歳以上の高齢者」という意味があるようです。
「耄耋」は「老いぼれること」もしくは「老人」を意味します。
「老」という字を続けて使っているので、なんとなく嫌な感じの言葉ですね。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年