金偏(かねへん)に「真」と書いて、「鎮」という漢字があります。
例えば、「鎮魂」や「鎮座」といった言葉で使われます。「鎮西探題」や「鎮西八郎」といった歴史にも縁が深い漢字です。
是非学んでおきましょう。
「鎮」の読み方・発音 音読み・訓読み
「鎮」の音読みは「チン」です。
また、「鎮」の訓読みは「しず(める)」、「しず(まる)」などです。
「鎮」の意味
「鎮」は、「しずめる」とか「しずまる」という意味です。
「落ち着ける」といった意味ですね。
また、「抑える」という意味でも使われます。
「鎮」の使用例・例文
それでは、「鎮」を使った言葉や表現、名前などを見ていきましょう。
「鎮魂」とは 意味と読み方
「鎮魂」は「チンコン」と読みます。「たましずめ」と読むこともあります。
「魂を鎮める」と書くことからも分かるように、「死者の魂を慰める」という意味です。
「鎮座」とは 意味と読み方
「鎮座」の読み方は「チンザ」です。
「神霊がその場所にしずまっていること」を意味します。
このことから、「人や物が居座ること」を多少の揶揄も込めて意味します。
「部屋のど真ん中に鎮座するテーブル」という風に使います。
「鎮西探題」とは 意味と読み方
「鎮西探題」の読み方は「チンゼイタンダイ」です。
鎌倉幕府の機関で、博多に置かれ、九州地方の軍事や行政などを担当しました。
室町幕府における「九州探題(鎮西管領)」の前身ともいえる機関です。
「鎮静」とは 読み方と意味
「鎮静」は「ちんせい」と読みます。
鎮静とは、「騒ぎや動乱、もしくは気持ちがしずまり落ち着くこと、もしくは落ち着かせること」という意味です。
人の興奮や不安などをしずめるための薬を「鎮静剤」、痛みをおさえる薬を「鎮痛剤」といいます。
「鎮西八郎」とは 読み方と人物像
「鎮西八郎」は、「ちんぜいはちろう」と読みます。源為朝(みなもとのためとも)の別称です。
源為朝は、平安時代末期の武将で、2メートルを超える大きな屈強な体を持ったと言われています。
乱暴者であったことから、父親の為義(ためよし)に九州に追放されましたが、その九州でも大暴れし、「鎮西八郎」と名乗ったそうです。
各地に伝説が残っている人物です。
「大友義鎮」とは 読み方と人物像
「大友義鎮」は「おおともよししげ」と読みます。
戦国時代に九州に、現在の大分県を中心に大きな領土を持っていた大名で、「大友宗麟(おおともそうりん)」の名前でよく知られています。
キリシタン大名の一人です。
「鎮」が入った人名
氏名に「鎮」が入った有名人に以下のような人物がいます。
鎮西寿々歌
日本のタレント・アイドル・女優。
NHKの『旅するドイツ語』(2021年)にも出演しました。
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年