何か物に触れた瞬間に、指先にビリッと痛みを感じることがありますね。特に、空気が乾燥しがちな冬に体験することが多い不快な現象です。
こういった体がビリッと感じることを一般に「静電気」と呼びます。
ですが、一体「静電気」とは具体的にどういったものなのでしょうか。
今回は、身近にあるにも関わらず、実態がよく分からない「静電気」について説明します。
静電気を簡単に説明すると
静電気を簡単に説明するとすれば、「物質に帯電した電気」でしょうか。
それでは、物質が帯電、つまり電気を帯びるのは、どういったときなのでしょうか。
物質を構成する原子は、通常は電気的に中性なので、触れてもビリッと感じることはありません。
電気的に中性とは、つまり正(プラス)の電気量と負(マイナス)の電気量が同じで、釣り合いが取れている状態のことです。つまり、プラスとマイナスでバランスが取れているんですね。
この電気量のことを「クーロン」という単位で表現します。
しかし、このプラスとマイナスのバランスが、何かの拍子に崩れてしまうことがあります。つまり、プラスの電気量とマイナスの電気量の一方が、他方よりも大きくなってしまうことがあります。
その状態で、静電気は発生するわけです。
なぜ静電気でビリッとするのか
静電気は、プラスとマイナスのバランスが崩れてしまっている状態であると説明しました。
バランスが崩れてしまった状態は、「プラスの電気量がより多い状態」と、「マイナスの電気量がより多い状態」の2つがあります。これらの状態をそれぞれ「プラスに帯電した状態」と「マイナスに帯電した状態」とします。
そして、バランスが崩れてしまった状態の原子は、バランスが取れている状態に戻ろうとします。
この時、例えばプラスに帯電した状態である人間の手が、マイナスに帯電した状態の物に触れると、物質はバランスを元の状態に戻そうとします。
つまり、プラスに帯電した人間の手に、マイナスの電気量が移動しようとするんですね。これは「放電」と呼ばれます。
この放電によって、あの不快なビリッとする現象が起こるわけです。