ある分野における上達や習得の方法を説明する本は巷にあふれているが、様々な分野に応用できるような「上達の極意」を伝えるような本は少ない。
ジョッシュ・ウェイツキン(Josh Waitzkin)著(吉田俊太郎訳)『習得への情熱 チェスから武術へ――上達するための、僕の意識的学習法』は、様々な分野の上達に応用できるような方法論や考え方を惜しげもなく披露している。
なお、本書の原題は The Art of Learning: An Inner Journey to Optimal Performance だ。直訳すると『学びの技術』もしくは『習得の技術』とでもなろうか。
著者のウェイツキン自身が、チェスと武術で頂点まで登りつめた人物なのだから、当然説得力もある。
難点といえば、本が自伝的なスタイルであるので、普通の自己啓発本のような読み方をすると冗長に感じることもあるところだろうか。
ただ、自伝スタイルだからこそ、著者の言葉には重みがあり、また説得力も出てくる。
ストイックな上昇志向のある人ならば、是非読むべきだと思う。得られるものは大きい。
習得への情熱 チェスから武術へ――上達するための、僕の意識的学習法