日本全体の人口が減少する中、農業の人手不足は深刻である。
健康ブームもあり、野菜自体の需要が一定に推移する中、野菜の生産はなかなか上がっていないのが実情のようだ。
農家の方の平均年齢も66歳ということで、高齢化に歯止めがかかっていない。後継者が不足していることも関係しているのだろう。
需要があるのに、人手が足りない。
そんな状況の中、農業の人手不足を解消する手段として期待されているのが「スマート農業」である。
AIを駆使したスマート農業
スマート農業とは、IT技術などを駆使した農業で、主に人手不足を解消するために開発が進められているようだ。
特に、AI(人工知能)を取り入れて自動的に野菜を収穫する技術には注目だ。
立命館大学の深尾隆則教授は、AI技術を駆使してキャベツを収穫する機械を開発しているという。
AIでキャベツを収穫
キャベツを収穫する際、気をつけなければならないのは、いかにキャベツに傷をつけないで収穫するか、ということらしい。
キャベツには、ご存知の通り、多くの葉があるため、なかなかその正確な位置を特定しづらいのだそうだ。
そのため、キャベツを収穫するには、収穫機を操縦する人の熟練の技が必要だったという。
そこで出てきたのがAI技術だ。
AIに、キャベツの形を覚えさせ、その正確な位置を特定させることにより、キャベツに傷をつけずに自動的に収穫することが可能になるのだという。
こういったAIを搭載した収穫機は、開発はされているものの、現状では1台1000万円以上と高価である。
新しい技術が開発される黎明期には、導入コストが高くなるのは仕方がないだろう。今後、量産されることにより、いかにコストを下げられるか。そこが課題である。
日本の農業の未来
なお、スマート農業によって実現される農業の自動化が、今後の日本の農業を助けてくれるのではないかと期待される。
私の実感としては、農業に興味を持つ人は、ある一定数は必ず存在すると思う。
ただ、農業に興味を持っていたとしても、実際に農業を始めるか、というと、その間にはかなり高いハードルが存在する。
AI技術の進歩により、農業に興味を持つ人がより多く実際に行動に移すようになれば、日本の農業に明るい未来が出てくるかもしれない。
スマート農業のすすめ~次世代農業人【スマートファーマー】の心得~