虫偏(むしへん)に「包む」と書いて「蚫」という漢字がある。
この「蚫」という漢字をどう読むかご存じだろうか。
虫偏だが、虫であるとは限らない。
「蚫」の音読みと訓読み
「蚫」の音読みは「ホウ」である。
また、訓読みは「あわび」と読む。
「蚫」の意味
「蚫」は、上記の訓読みからも分かるように、「あわび」という意味である。
あの巻貝の一種のアワビのことだ。
なお、アワビには「蚫」の他に、「鮑」や「鰒」の漢字表記がある。
「蚫」はなぜ虫偏?
ところで、鮑(アワビ)は貝なのに、なぜ虫が部首なのだろうか。
実は、昔は、動物は全て「虫」として扱っていたようだ。
そのため、貝の一種である「アワビ」にも、虫偏をつけている、というわけだ。
同じ理由から、「蛤(ハマグリ)」や「蛙」にも、虫が部首として使われている。
「蛙」については、「「蛙」ー虫偏(へん)に「圭」(もしくは土土(土が2つ))は何という漢字?意味と読み方」でも詳しく説明しているので、是非ご覧いただきたい。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年