金偏(かねへん)に秋と書いて「鍬」という漢字があります。
さて、この「鍬」という漢字を知っていますか。
子供に人気の昆虫クワガタとも関係の深い漢字です。
「鍬」の読み方 音読み・訓読み
「鍬」は、音読みで「ショウ」、「シュウ」と読みます。
また、訓読みでは「すき」、「くわ」と読みます。
「鍬」の意味
「鍬」の意味は、農具である「くわ」や「すき」のことです。
実は、「鍬」は「くわ」とも「すき」とも読めるのですが、どう読むかによってどの農具を指すのかも違ってくるという、少し困りものの漢字なのです。
詳しくは、後述します。
それでは、「鍬」を使った言葉を見ていきましょう。
「鍬形」とは 読み方と意味
「鍬形」は「くわがた」と読みます。
元々は、中世の武士がかぶっていた兜(かぶと)の前立ての一種のことです。
2本の角が放射状に下から上に向かって延びているような形で、五月人形の兜の前立てを想像すれば分かりやすいと思います。
五月人形 久月 兜 ケース 六角 大鍬形
昆虫の「クワガタ」を漢字で書くと「鍬形虫」
ここまでお読みになった方はお察しかもしれませんが、昆虫のクワガタは、漢字で書くと「鍬形虫」、略して「鍬形」となります。
その名前の由来は、もちろんクワガタの雄のアゴの形が上述の兜の鍬形に似ているからです。
「鍬」は「くわ」?「すき」?農具の「くわ」と「すき」の違いとは
「鍬」という漢字は、「くわ」とも「すき」とも読めます。そして、その読み方によって、どの農具を指すのかが変わってきます。
ところで、「くわ」と「すき」の違いについてご存じでしょうか。
「くわ」とは、平らな一枚の鉄板に柄(え)をつけた農具のことで、日本昔話などの絵本やアニメでよく畑仕事をしている男の人が使っているものです。
日本ではポピュラーな農具で、田畑を耕す際に使われます。
「すき」とは、シャベルとかスコップのような農具のことで、土を掘ったり削ったりするのに使います。
ちなみに、「すき」には「鋤」という漢字があり、「すき」を特に意味する場合はこちらの漢字を一般的には使うようですね。
「くわ」と「すき」を英語で
「くわ」は英語で hoe で、「すき」は英語で spade といいます。spade は、トランプのスペード(spade)と同じスペリングです。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年