己の下に心とかいて「忌」という漢字があります。
例えば、後述する「忌憚」や「忌避」といった言葉で使われます。
さて、漢字「忌」の読み方や意味は何でしょうか。
「忌」の音読み・訓読み
「忌」の音読みは「キ」です。
「忌」の訓読みは「い(む)・い(まわしい)」です。
「忌」の意味
「忌」には、「いむ」や「いまわしい」という意味があります。
「忌む(いむ)」とは、「不吉なことや縁起の悪いことを避ける」という意味です。
また、「憎んで嫌う」という意味でも使われます。
「忌まわしい(いまわしい)」とは、「縁起が悪い」とか「不吉なことが起こりそう」という意味です。
また、「とても嫌な」という意味でも使われます。
例えば、「忌まわしい記憶」という風に使いますね。
「忌ま忌ましい(いまいましい)」や「忌々しい」というと、「とても腹立たしい」とか「しゃくにさわる」という意味です。
また、「忌」には、「喪に服すこと」という意味もあります。
「忌み名」の読み方と意味
「忌み名」は「いみな」と読みます。
「忌み名」とは、「死者の生前の名前や本名」や「死者に対し、生前の業績などを尊んで付けた称号」という意味です。
「忌み名」は「諱」とも書きます。
⇒ごんべんに韋で「諱(言韋)」という漢字の読み方・意味・熟語「忌諱」
「忌諱」の読み方と意味
「忌諱」は「きい」と読みます。
「忌諱」とは、「忌み嫌うこと」という意味です。
以下の記事に詳しい説明があります。
⇒ごんべんに韋で「諱(言韋)」という漢字の読み方・意味・熟語「忌諱」
「忌憚」の読み方と意味
「忌憚」は「きたん」と読みます。
「忌憚」とは、「遠慮すること」や「忌みはばかること」という意味です。
例えば、「忌憚なき意見」という風に使います。
「忌避」の読み方と意味
「忌避」は「きひ」と読みます。
「忌避」とは、「嫌がって避けること」という意味です。
「回避」と同じように使われます。
また、「忌避」は、法律用語で「裁判などが不公平に行われる恐れがある場合に、当事者がその裁判などを避けるもしくは拒否すること」という意味で使われます。
「忌引」の読み方と意味
「忌引」は「きびき」と読みます。
「忌引」とは、「親や親族などの近親者が死んだときに、職場などを休んで喪に服すこと、もしくはその休暇」を意味します。
「禁忌」の読み方と意味
「禁忌」は「きんき」と読みます。
「禁忌」とは、「社会や宗教などにおいて、禁止されている行為や言葉」を意味します。
「タブー」ともいいます。
「嫌忌」の読み方と意味
「嫌忌」は「けんき」と読みます。
「嫌忌」とは、「忌み嫌うこと」という意味です。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年