
木偏(きへん)に土と書いて「杜」という漢字があります。
読み方は「ト」「ズ」、訓読みで「やまなし」「ふさぐ」「とじる」「もり」といった意味を持ちます。
古くは神社の森(鎮守の杜)を表し、現代でも「杜撰(ずさん)」や「杜氏(とうじ)」といった言葉で目にする機会があります。
特に、「杜撰」はよく使われる言葉ですが、漢字で書くことはあまりないので、知っておくとかっこいいですね。
それでは、漢字「杜」を詳しく解説します。
「杜」の読み方・発音 音読みと訓読み
「杜」の音読みは「ト」「ズ」です。
また、「杜」の訓読みは「やまなし」「ふさ(ぐ)」「と(じる)」「もり」です。
「杜」の部首
「杜」の部首は「木偏」です。
「杜」の意味
「杜」の意味は、「ふさぐ」「とじる」、「やまなし(バラ科ナシ属の落葉高木)」、「(神社の)森」です。
「ふさぐ」という意味では、後述の「杜絶(トゼツ)」という言葉で使われます。
鎮守の杜
神社を囲むように存在する森のことを「鎮守の森(ちんじゅのもり)」といいますが、「鎮守の杜」と書くこともあります。
『となりのトトロ』でメイが迷い込んでトトロと出会った森も「鎮守の杜」ですね。
それでは、「杜」を使った言葉を見ていきましょう。
「杜撰」の意味・読み方・由来
「杜撰」の読み方は「ずさん」です。
「杜撰」の意味は、「仕事などで手抜かりや間違いが多く、いい加減なこと」です。
また、文章などに間違いが多いことも「杜撰」といいます。
例えば、以下のように使います。
・彼の杜撰な仕事ぶりが問題になっている。
・建設現場での安全管理が杜撰だったため、事故が発生した。
「杜撰」は元は詩の評価に使われた言葉で、出典は中国の詩人・杜黙(ともく)がいい加減な詩をよく書いたことからと言われています。
また、「杜撰」と同じような意味で、「杜漏(ずろう)」という言葉もあります。
「杜漏」とは、「杜撰脱漏(ずさんだつろう)」の意味で、こちらも「いいかげんで手抜かりが多いさま」という意味です。
「杜氏」とは 意味と読み方
「杜氏」の読み方は「とうじ」もしくは「とじ」です。
「杜氏」とは、「酒を造る職人」で、酒造りの現場で責任者を務める技術者のこと。
「日本酒の顔」とも言える存在で、伝統的には「南部杜氏」「越後杜氏」などの流派もあります。
「杜絶」とは 読み方と意味
「杜絶」は「とぜつ」と読みます。
「杜絶」とは、「ふさがり絶えること」や「途中で途絶えること」という意味です。
「途絶」と書かれることが多いですが、むしろ「途絶」は「杜絶」の代用として書かれたそうです。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 漢字 | 杜(木へんに土) |
| 読み方 | ト、ズ、やまなし、ふさぐ、もり、など |
| 意味 | 森・ふさぐ・とじる |
| 熟語 | 杜撰、杜氏、杜絶など |
「杜」という字は、一見すると地味かもしれませんが、知れば知るほど奥深い意味を持っています。
次に誰かが「杜撰」と言ったとき、きっとちょっと誇らしくなれるはずです。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年
