さんずいへんに甚だしい(もしくは「勘」の左側)と書いて、「湛」という漢字があります。
この漢字「湛」は、例えば「湛える」という風に使われます。
この「湛える」の、読み方や意味が分かりますか。
ちなみに、「こらえる」ではありません。
「こらえる」は後述するように「堪える」と書きます。
「湛」の音読み・訓読み
「湛」の音読みは「タン・チン」です。
また、「湛」の訓読みは、「たた(える)・あつ(い)・ふけ(る)・しず(む)・ふか(い)」です。
「湛える」の意味
「湛える」は、「たたえる」と読みます。
広辞苑によると、「いっぱいにする。満たす。」という意味です。
他にも、デジタル大辞泉によれば、「ある表情を浮かべる」とか「感情を顔に出す」などの意味もあります。
例えば、「顔に満面の笑みをたたえて」等と表現したりしますね。
この「たたえて」を漢字で表すと「湛えて」となるのです。
「湛える」の使用例
他の使用例も見てみましょう。
「目に涙を湛える」
「愁いを湛える」
「堪える」の読み方・意味
ちなみに、字面で「湛える」と間違えやすいのが、「堪える(こらえる)」でしょう。
「堪える」の意味はご存知ですか。
「耐え忍ぶ」とか「我慢する」という意味です。
「湛」の右側の「甚」という漢字
「湛」のさんずいを除いた右側の「甚」という漢字については、以下の記事で解説しています。
⇒「甚(勘の左側)」という漢字は何?読み方・意味・使い方 「甚大」「甚振る」「甚だしい」「甚深」など
オススメの漢字辞典
今回の記事はどうでしたか。もし興味深く読んでいただけたなら、とても嬉しいです。
日本にはとても数多くの漢字があります。そして、漢字辞典を読むたびに新たな発見があります。
そんな奥深い世界に触れてみませんか。
私がオススメする漢字辞典をリストアップしましたので、ぜひご覧ください。
また、当ブログでは、私がオススメする漢字辞典ほどではありませんが、漢字や日本語に関する様々なトピックを掲載しております。
ぜひご覧ください。
↓
「カンタの日本語事典」トップへ
-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年