草冠(くさかんむり)に介と書いて、「芥」という漢字があります。
「芥子」といった言葉で使われるほか、「芥川龍之介」といった人名でも使われます。
今回は、漢字「芥」について学びましょう。
「芥」の読み方 音読み・訓読み
「芥」の音読みは「カイ」「ケ」です。
また、「芥」の訓読みは「からし」「あくた」です。
「芥」の意味
「芥」には、「からしな(芥子菜)」という意味があります。
「芥子菜」とは、アブラナ科の越年草(二年草)のことです。
この草の種から、調味料の「からし」が作られます。
また、「芥」には、「細かいもの」とか「あくた」といった意味もあります。
「あくた(芥)」とは、「くず」とか「ゴミ」という意味です。
この意味から、「塵芥(じんかい・ちりあくた)」という言葉もあります。
「芥子」とは 読み方と意味
「芥子」は、「からし」もしくは「けし」と読みます。
「からし」と読むと、「からし菜」の種子を粉にした香辛料を意味します。
この意味においては、「辛子」と書くこともあります。
「けし」と読むと、「ケシ科の一年、もしくは二年草」のことを指します。
「けし(芥子)」の未熟な実から、「阿片(アヘン)」が取れます。
「阿片(あへん)」は歴史でもおなじみの「アヘン戦争」の原因ともなった麻薬のことですね。アヘンが麻薬であることから、「けし(芥子)」の日本での栽培は制限されています。
なお、「阿片戦争」が香港のイギリスへの割譲へとつながりました。この経緯について、下記の記事で詳しく説明しております。
⇒なぜ香港で「1国2制度」が認められているのか イギリスの植民地となる原因となるアヘン戦争に至る経緯とは
なお、「けし(芥子)」は「罌粟」と書くこともあります。
「芥川龍之介」とは
日本を代表する作家・小説家ですね。
現在、作家の登竜門として知られる「芥川賞」は、正式には「芥川龍之介賞」で、芥川龍之介の業績にちなんで創設された賞です。
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-参考資料-
・『DK漢字辞典』・公益財団法人日本漢字能力検定協会編、『漢検 漢字辞典 第二版』
・阿辻哲次、他、『角川 現代漢字語辞典』、2001年1月31日
・藤堂明保、他偏、『漢字源 改訂第六版』、2018年