この短編集は、読み切り漫画集である『創生日記-藤子・F・不二雄SF短篇集①』の次作となる作品集です。
・珠玉の読み切り漫画集 『創生日記-藤子・F・不二雄SF短篇集①』の書評 ネタバレ注意
『メフィスト惨歌-藤子・F・不二雄SF短篇集②』は、F・不二雄が描いたちょっと大人向けの短編マンガ集です。
以下の作品が収録されています。
「メフィスト惨歌」
仕事ができない悪魔が人間にやり込められるという話です。
「悪魔と人間」という設定自体は、昔話でも見られるものです。
ただ、この話がそういった昔話と違うのは、人間の方が常に悪魔よりも優位な立場にあるというところでしょう。
哀愁漂うサラリーマン悪魔には同情さえ覚えます。
なぜ作品名が「賛歌」ではなく「惨歌」なのか分かります。
「倍速」
オチは結構アダルトなのだが、こんなオチを藤子・F・不二雄が描くとは驚きです。
「マイホーム」
未来では、タイムマシンを使って大昔の土地にマイホームを建てるという話です。
「侵略者」
恐るべき力を持った宇宙人に体を乗っ取られるという話です。
「マイロボット」
ロボットを持つのが当たり前となった時代で、主人公の男の子が手に入れたロボットが偶然人間の感情を持つようになります。
「テレパ椎」
「テレパ椎」という椎の実を手に入れた主人公は、他人の心が読めるようになってしまいます。
人の心の声が聞こえるというのは、幸せなことなのでしょうか。
それとも…。
「ユメカゲロウ」
ユメカゲロウという幻の虫をめぐる不思議な話です。
「裏町裏通り名画館」
『南極物語』や『スターウォーズ』といった有名な映画のパロディです。
特に、『南極物語』のパロディは面白いです。
人間にとって感動的な出来事の裏には…。
「有名人販売株式会社」
アイドルのクローンが手違いで主人公の家へやってきました。
「殺され屋」
「殺され屋」と称する男が、命を狙われている極道の組長の家にやってきます。
高額な報酬と引き換えに、身代わりになると言いますが…。
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